開発前に経験した最初のピボット(方針転換)
MessageLeafの開発では、パートナーであるソニックガーデンの開発思想のバックボーンにある「リーン・スタートアップ」の手法を採り入れています。リーン・スタートアップは、エリック・リースという米国のシリアル・アントレプレナーがトヨタの生産方式にヒントを得て生み出した、起業で必要な思考・行動プロセスを体系化したものです。
(↓参照)
このリーン・スタートアップの考え方の重要項目の一つに、ピボット(方針転換)というものがあります。それまでの方針を大きく転換することですが、2011年秋からこれまでの半年間に大きなピボットを既に2度経験しました。今回はその最初のピボット(方針転換)について書きます。
MessageLeafの最初のアイディアは、せっかく良い内容の記事やブログを読んで、「こんな素晴らしいエントリーを書いてくれてありがとう」と伝えたい気持ちになってもそれをうまく表現してくれるものがないな~、という素朴な疑問から始まりました。そこで、「いいね!(Like!)」と同じような形で「ありがとう!(Thanks!)」と押して更にポイントをあげる、というようなことを考えたのです。ポイントを最初から買ってもらえれば、ビジネスモデルとしてもすごくスッキリしているな、と。
何人かの友人と話してみて、「これはいける!」と確信して、紹介で知り合ったソニックガーデンの倉貫さんに開発を依頼しようとして議論したのですが、まったくのダメ出しをされました(笑)。言われたことは2つあって、「ブログの書き手がそんなボタンを置きたいとは到底思えない。僕もブロガーだけどそんな物乞いみたいなことしたくない。」さらに、「実はほとんど同じようなアイディアを実施に移している『Grow!』という会社がある」と。
頭をガーンとされた感じになったのですが、倉貫さんの言っていることに真実を感じました。そこで、ブロガーの人に改めて「なぜブログを書くのか」ということを深堀りして尋ねるいわゆる「デプス調査」をしました。友人のブロガーにも話を伺いましたし、あの「Chikirinの日記」の作者「ちきりん」さんにもメールで色々と考え方・感じ方を教えて頂きました。結果、ブロガーは「書きたいから書いている」というのが本質で、「ポイントをもらうためのツールを置く」という発想にはどうもならなそうだな、というのが見えてきました。
では、どうするか。ここでもう一度、僕が実現したかったことを考え直してみました。それは「いいね!」を超える気持ちを、ウェブサイトの読み手から書き手に直接伝えること。そうだとすると、きわめて読み手都合の話なので、書き手側では無く読み手側のツールにすればよい、という発想転換をしたのです。
その結果、ChromeExtentionのツールを試作するというところまでいきました。作っていた時は「これで行ける!」と信じていたのですが、またまたピボット(方針転換)をすることになりますが、その話は次回に。