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「MessageLeaf (メッセージリーフ)」の立上げ日誌~ウェブサイトにあなたと私の関係を~

「MessageLeaf (メッセージリーフ)」の開発から事業立ち上げに至る日々を綴ります。 Twitterアカウント:@acesuzuki

■ソニックガーデンさんとの仕事(1)

以前のエントリーでも少し紹介しましたが、MessageLeafの開発はソニックガーデンさん(http://www.sonicgarden.jp/)と一緒にやっています。

 

ソニックガーデンは「納品のない受託開発」という非常に斬新なコンセプトで、2011年にスタートした新進気鋭のソフトウェア開発会社です。

 

僕は、彼らのコンセプトを最初に見たとき、斬新であると同時にとても理に適っていると感じました。世の中に今までなかったサービスをシステム開発するとき、「仕様」を前もって決めるなんていう事は神様でもない限りできません。そうなると、「要件定義」→「工数見積もり」→「発注」→「開発」→「検収」、といった旧来のスタイルではどう考えても対応できるはずがないのです。

 

政府系のシステム発注案件で、全く使われないシステムが出来上がってしまったり、壮大なコストをかけても結局まだ何も生み出されていなかったりで問題となることがままありますが、これはもうそもそもの事業の構造の問題なのでしょうね。

 

 

さて、ソニックガーデンさんと実際一緒に仕事をしてみて、想像以上に「良いな」と感じています。大きいのは、「価値観や思考スタイルが根っこの部分で共通していること」、「パートナーとしての関係性を築けていること」、「プロジェクト運営手法が超効率的なこと」の3つです。今日はその1番目について書きます。

 

 

<共通している価値観/思考スタイル:小さくシンプルであること>

 

「価値観や思考スタイルが共通」という意味では、倉貫さんのブログ(http://kuranuki.sonicgarden.jp/2012/01/post-60.htmlにも書評が出ている「小さなチーム、大きな仕事」を抜きには語れません。

 

小さなチーム、大きな仕事〔完全版〕: 37シグナルズ成功の法則

 http://www.amazon.co.jp/gp/reader/415209267X/ref=sib_dp_pt#reader-link

 

この本はソニックガーデンさんがバイブル代わりにしているというくらい、彼らの価値観を代弁しているものです。是非このブログを読まれている皆さんにも手に取っていただきたい本なのですが、この本で強く強調されているのは「The less, the better.(少なければ少ないほど良い)」という考え方です。「The simpler, the better.」と言いかえてもよいでしょう。

 

「より少ない」特徴・機能

「より少ない」オプション・設定

「より少ない」スタッフ数・チーム構造

「より少ない」ミーティングと曖昧なアイディア

「より少ない」約束

・・・

 

この考え方は、僕自身の志向ともピッタリなのです。

 

もともと、独立してメディカル・インサイトという会社を立ち上げた当初も、こんなことをブログで書いています。

 

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その中で一番大切なポイントが、"small business"への志向である。

 

「起業」というとどうしてもどんどん会社を大きくして上場する、みたいなことがGoalになると考えられがちだ。もちろん「創業者利益」というリターンを考えたら、そういうやり方が一番なのだろうが、どうもそうしたところに欲を感じないのだ。もちろん、お金はそれなりに稼ぎたいけど、創業者の利益の取り方は、一般的にどうも"取り過ぎ"のように感じられるのだ。

 

僕は、多くの患者さんに役立ちたい・ポジティブな影響を与えたいとは思っていても、それを進める上で大勢の部下(社員)を自分で持ちたいとはどうしても思えないのだ。どうも、「上司と部下」とか「経営者と社員」となった瞬間に、人は純粋に仕事の価値を追い求めること以外に、何か違う衣を纏い始めてしまう気がしている。人間が根本的に持つ自己顕示欲とか支配欲とその裏返しみたいなものが、この場合ネガティブに働くのだろう。

 

なので、そうしたものから一切離れて、社員は自分だけ・オフィスも自宅、というように究極に図体を削ぎ落とした仕事体"を維持したいと考えている。その代わり、周囲にたくさんの面白いパートナーを持つようにするのだ。

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(株式会社メディカル・インサイトの社長日記2010224日エントリー「会社のカタチ」http://d.hatena.ne.jp/healthsolutions/20100224/1267024979)より

 

 

会社の組織も小さく、チームも小さく、そして製品はなるべくシンプルにわかりやすく。僕らの議論の中で、「それは”Nice To Have”(あれば良いけどなくても少なくとも今はやっていける)なのか、”Must Have”(サービスの本質を考えたら絶対に必要)なのか」ということはしょっちゅう意識して口に出しています。

 

色んなインプットをもらいながら、自分が言いたいことの「芯」の部分を見極めてそれ以外をそぎ落としていく過程を、昔修行させてもらっていたボストンコンサルティンググループでは「クリスタライゼーション(結晶化)」と呼んで非常に大事にしていました。でもこれは「言うに易し」の類のもので、人間は性としてどうしても「足し算」したくなる誘惑に駆られるものです。そういった意味で、同じ価値観を持つ彼らと一緒にやっていると、小さくあること・シンプルであることへの鋭敏な意識を保ち続けることができる気持ち良さがあるのです。