「MessageLeaf (メッセージリーフ)」の立上げ日誌~ウェブサイトにあなたと私の関係を~

「MessageLeaf (メッセージリーフ)」の開発から事業立ち上げに至る日々を綴ります。 Twitterアカウント:@acesuzuki

ソニックガーデンさんとの仕事(2):パートナーとしての関係性

前回エントリーで、MessageLeafの開発を共に行なっているソニックガーデンさん(http://www.sonicgarden.jp/)と一緒に仕事をしていて「良いな」と感じている3つの点、

 

・「価値観や思考スタイルが根っこの部分で共通していること」

・「パートナーとしての関係性を築けていること」

・「プロジェクト運営手法が超効率的なこと」

 

のうち、1番目の中身を紹介しました。

 

今日は、2番目の「パートナーとしての関係性を築けていること」について記します。

 

 

<パートナーとしての関係性(1):“発注者”と“業者”では越えられない壁を越える>

 

僕がソニックガーデンさんと一緒にやろうと決めた一番の理由は、「この人たちとなら、現在考えている自分の仮説をぶっ壊して、全く違う形に進化させたものを一緒に創り上げることができる」可能性を感じたことです。

 

実際にそうした仕事をしていくためには、「発注者」と「業者」という関係性はお互いに邪魔でしかありません。「発注者」と「業者」という関係性があると、無意識のうちに「業者」は顧客である「発注者」の言う通りにやれば良い、となっていきがちです。

 

ソニックガーデンさんの「納品のない受託開発」の一番のメリットは、「発注者」と「業者」という関係性を超えたパートナーとしての関係性を創り上げることができる点にあるのです。

 

パートナーとしての関係性がなかったら、以前のエントリーにも書いたような「ピボット(方針転換)」はありえなかったでしょう。本当は根本から考え直した方が良いかもと思っても、一旦要件定義してシステム構築を走り始めたものを変えるなんて言っていたらコストがオーバーしてしまう。「業者」の立場だったら、自分から「今の方針は根本から変えた方がいいですね」とはまず言い出せない。

 

その意味で、「発注者」と「業者」の関係性であったら越えられない壁を一緒に乗り越えてきたと思っています。

 

 

<パートナーとしての関係性(2):プロとして切磋琢磨する>

 

パートナーとして仕事をするのは、しかし、デメリットもあります。明確な「発注」や「納期」といった概念がない分、気を付けないと緊張感のない“馴れ合い”に陥ってしまいがちです。

 

そうならないようにするためのカギは2つあって、1つは「外からの風を自分たちに当てる」ことだと思っています。我々にとっては、αユーザーの方々であったり、私個人にとっては妻だったり。辛口の意見、時にはこちらがむっとするくらいの意見の方が、後々考えるとプロジェクトを正しい方向に導くのに役立ちます。

 

もう1つはプロジェクト運営に規律を保つこと。これについては次回述べます。

 

いずれにせよ、色んな壁や石に当たりながら、お互いにチャレンジ(良い意味での高いレベルの要求)し合って、プロとして切磋琢磨する関係で居続けたいなと思っています。

 

 

<パートナーとしての関係性(3):本当に“パートナー”になる>

 

「納品のない受託開発」スタイルがパートナーとしての関係性を前提としているとはいえ、定額の支払いでお願いするだけだと実は「なるべく手のかからない方法を考える」インセンティブが働いてしまいます。でも、事業を進めていく上でどこかで手間をかけた方がベターな時はあるわけで、そこで躊躇するインセンティブを残しておくのは(本当に躊躇すると思っているかどうかは別として)構造として拙い。

 

そこでソニックガーデンさんにお願いしたのが、この事業を形の上においても一緒にやってほしいということです。具体的には、新しい会社を創ってそこに資本参加する、もしくは将来期待できる売上の一部をシェアするような形を、一緒に仕事を始める前提として提案しました。彼らも真剣に検討してくれて、その結果、もうすぐ一緒に会社を興すことになります。

 

名実ともに本当に“パートナー”になるわけで、あとは今後、「パートナーとしての関係性」をいかに成熟させていくか、ですね。夫婦も仕事も一緒です。