「MessageLeaf (メッセージリーフ)」の立上げ日誌~ウェブサイトにあなたと私の関係を~

「MessageLeaf (メッセージリーフ)」の開発から事業立ち上げに至る日々を綴ります。 Twitterアカウント:@acesuzuki

真のノマドとして生き続けるための「3つの方向性」と「1つの鍵」

<ノマドはフリーランスではない

これからの仕事のあり方という意味で、「ノマド」という言葉がかなり一般的になってきました。僕も2009年に独立して以後、「最近流行の“ノマド”ですね」と言われることもちょくちょくあり、最初のうちは、「ええ、そうです。まさにノマドですねぇ」なんて答えていたのですが、最近実はちょっと違和感を覚えています。

というのも、確かにオフィスが無くて色んなところで仕事しているという意味ではノマドなのですが、ノマドという言葉を「=フリーランス」ととらえている人がかなりの数いるようで、そりゃちょっと違うよと思うわけです。ノマド=フリーランスではなく、組織に属していたとしても自由に動ける/振る舞えるのであれば、それはノマドで良いと思っています。

逆にフリーランスであってもそれなりに強い「個」を保てていないと、結局は「外注」という形で「組織の歯車」に入っているだけということもあり得ます。いつ組織の側から「ぽいっ」とされてしまうかもしれないという恐れから、組織に縛られてしまうという仕事の在り方だと、真の意味でノマドとは言えないように感じます。

(このあたりの“定義”に興味ある方は、下記の記事などを参照して下さい。

「決定版:ノマドの用語の混乱に終止符を。原語から紐解く5つのノマドの定義」(http://blogos.com/article/45415/))

 

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<歯車として消費されないノマド的働き方とは>

では、「歯車として消費されないノマド的働き方」をしていくためには、どのようなことが必要になるでしょうか。精神論的には、最近、MatsuhiroさんがTwitterで出されていた「未来を切り拓くために必要な3つのこと」が参考になると思います。

 

地頭の良さとかあんまり関係ない気がする。不安に打ち克つ勇気、自分の頭で考える習慣、惰性に流されない根性。こういうものが未来を切り拓いてくれると思う。

 

しかし、これはあくまでも「精神論」。もうちょっと具体的なスキルレベルで考えてみた時、次の3つの方向性があると思います。

 

A:非常に尖った強み(専門分野)を持つ「プロフェッショナル(職人)」となること

B:複数の仕事の動きがわかる&できる「マルチ・プレーヤー」になること

C:自分の外にあるリソースをコーディネートする「コーディネーター」になること

 

最初の「職人になる」というのはわかりやすいですね。デザイナー、プログラマー、コンサルタントなど、本当に「プロ」のレベルまで行けば、働く場所もお客さんも選ぶことができます。

二番目の「マルチ・プレーヤー」というのはちょっと直感的に合わないと感じる方もいるかもしれません。大企業でも必要とされるスキルですので。でも、これ、小さなチーム(組織)である程度自由に動き合うという仕事のスタイルを採る場合、より重要な要件になります。もっと言えば、自分独りで会社をやるのであれば、かなり広範囲の業務知識・経験を備えていないとなかなか回せていけません。

三番目の「コーディネーター」というのは、外部の協力者のコーディネート能力が高いとより大きな付加価値を生み出せるし、自分が本当にやりたい仕事に集中できる(やりたくない、やるべきでない仕事から自由になれる)ということです。A,Bはどちらかというとプレーヤーになるというイメージですが、このCは経営者的な色合いが濃いですね。

 

また、いずれの方向性を行くにせよ、「セルフマネジメントができること」と「セルフブランディングができること」は必須要件になります。前者は単一の顧客だけでなく同時期に複数の顧客と仕事をすることがあり得るので、スケジューリングなどの自己リソース配分がきっちりできないと破たんする、という意味。後者は個人の信用力で仕事を取るにあたり、自分の名前や会社が検索された時に、それなりにイメージ付けができるようにしておくことが必須、という意味です。

 

ノマドとして生き続ける鍵:「セルフ・ピボット」>

最後にもう一つ大事な要素を挙げておきます。それは、「セルフ・ピボット」とでも呼ぶべきもの。自分の造語なので解説を加えますと、軸足を置きながら自分の得意分野を拡げていく事です。(「ピボット」は元々バスケットで軸足以外の足を動かしていろんな方向にステップをすることですが、リーンスタートアップの中では事業の方向転換をすることを指します。)

独立して食べていこうと思った時、初期はプロフェッショナルと言える分野があればそれなりに食べていく事は可能です。でも、そのまま同じことの繰り返しで稼いでいくと、早晩自分のプロフェッショナリティも古びたものになっていきます。過去の資産を食い潰してしまうということですね。そうならないように、強みは活かしつつも常に新たなフォーカスを見出したり、新しい分野にチャレンジしたりして、自分のプロフェッショナリティを強化する/増やす/ずらすことが大事になってきます。

僕の場合は、独立した当初は「医療用医薬品のマーケティング×コンサルティングスキル」がコアの強みでしたが、色んなプロジェクト等の経験を通じて、オンコロジー領域に特異的な強みを持ったり、Webマーケティング/ソーシャルメディアといったところに強みを加えていったりしました。特に最後の部分は医療の枠をはみ出してMessageLeafというウェブサービスを立ち上げるまでに到ったわけですが。

ともかくも、そのような「セルフ・ピボット」とも言えるようなやり方で自分ならではの進化を続けていけることが、ノマドがノマドらしく生き続けていくためのキーポイント。働く場所や組織だけでなく、自分の過去に囚われない人こそが真のノマドなのです。

 

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