使ってみて分かったMessageLeafの特徴その2:「不特定多数の相手からダイレクトに自分に向けたフィードバック」
前回(http://messageleaf.hatenablog.com/entry/2012/08/22/104525)、「どんな情報を(What)」「誰から(from whom)」「誰に向かって(to whom)」の3つの視点考えた時のMessageLeafの第一の特徴が、「深い、ポジティブ寄りのフィードバック」であることを書きました。
今回は「誰から」「誰に向かって」の視点です。
<誰から:MessageLeafは、全方位からフィードバックが入り得る>
「誰から」という視点で考えた時の、Facebook、Twitter、自ブログのコメント欄、はてブ、のそれぞれ特徴です。ここでは、自分(フィードバックをもらう側)にとって、強い結びつき(Strong tie)のある人、弱い結びつき(Weak tie)のある人、結びつきのない人、で分けて考えます。
そもそもFacebookでつながっている人という特性上、リアルでも自分と強い結びつき(Strong tie)のある人からのフィードバックが主体になります。Facebookでつながるのを広範囲のお付き合いまで広げている人は、弱い結びつき(Weak tie)の人も入るかもしれません。
まず一義的には、Twitter上で自分をフォローしている人からフィードバックが入ります。自分にとって実際に強い結びつきがある人もいますが、弱い結びつきの人もいれば、当人にとっては実際は結びつきはないと言っても構わない人もたくさんいるでしょう。さらに、RTで拡散されていったものに対してされるフィードバックについては、まずもって知らない人からのものが殆どと想定されます。
■自ブログのコメント欄
これは、結びつきの強さに拘わらず、全方位的に誰でも入ってくる可能性があります。
■はてブ
これも誰からでも入ってくる可能性はありますが、FacebookやTwitterがこれだけ普及してくると、結びつきののある人が敢えて「はてブ」でコメントするというのも考えにくいです。
■MessageLeaf
MessageLeafの場合は、全方位的に誰からでも入ってきます。内容との組み合わせで言えば、強弱に拘わらず結びつきのある人からは、「内輪ネタ」がらみのコメント。たとえば、「XXの講演会で会ったXXです。あの時講演で話されていたことが、こうしてXXになったのを知って、とても嬉しいです。」みたいな感じのものです。結びつきのない人からは、ファンレター的なものだったり問い合わせだったり。
ということで、フィードバックの送り手としては、MessageLeafはブログコメントと同様に全方位的、というのが結論です。
<MessageLeafは、自分向けのメッセージ>
では次に、「誰に向かって(=誰が見る)」という視点で考えた時の、Facebook、Twitter、自ブログのコメント欄、はてブ、のそれぞれ特徴です。ここでは、自分、自分の知り合い、自分にとって知らない人で分けて考えます。
Facebookでは色んなケースがあり得ます。DMで来る場合は自分向け、自分の投稿にコメント付けてきたり「いいね!」を押してくる場合は自分の知り合い向け、シェアしてコメント付けたりする場合は自分の知らない人向け、という感じ。
TwitterもFacebook同様、使われるものによって変わってきます。DM機能はありますのでその場合は自分向け、@メンションで飛ばしてくる場合は自分とフィードバックの送り手の両方をフォローしている人なので、それなりに自分の知り合い向け、普通にRTしてくる場合は基本は自分にとっては知らない人向け、となります。
■自ブログのコメント欄
そのブログ読んでいる人すべてになので、「全方位的」と言ってかまわないでしょう。
■はてブ
TwitterのRTのケースと同じで自分の知らない人向けのみ、と考えて良いと思います。
■MessageLeaf
MessageLeafの場合は、1on1のコミュニケーションなので、完全に自分向けのみです。
ということで、フィードバック情報の方向性としては、FacebookやTwitterのDMと同様、MessageLeafは自分向け限定、となります。ただし、FacebookやTwitterのDMは、自分がつながることを認めた相手、すなわちかなり強い絆で結ばれた人からしか入りようがありません。
「FBやTwitterでもDM機能はあるけれど、DM送れる人は限定されちゃいますよね。MessageLeafはそれができます」、ってことですね。
使ってみてわかったMessageLeafの特徴その1:「深い、ポジティブ寄りのフィードバック」
Google+の開発者として知られるポール・アダムスの「ウェブはグループで進化する」を読みました。
全体として結論めいたものが書かれているというよりは、「こういう考え方が重要になってくるよ」というものがばらばらと入っているためか、帯の印象ほど衝撃を受けるような本ではありませんでしたが、それでも重要な視点は与えてもらいました。
一つは150人くらいの規模の親しい仲間のグループ(クラスターと言い換えても良いと思います)が今後情報伝達のカギになり、グループによって反応する情報が変わってくる、という話。もう一つは、個々人が周囲に持つ人間関係を考える時に、「強い絆」「弱い絆」の2層に分けてそこから受ける影響の違いをよくわかっておくべき、という話です。
そんな話を考えていくうちに、MessageLeafがやっていることって何なのだろう、一体他のプラットフォームと何が違うのだろうということを、「どんな情報を(What)」「誰から(from whom)」「誰に向かって(to whom)」の3つの視点で改めて見つめ直してみました。以下、主に自分たちの現状の体験を基にした考察であり、今後色んなユーザーが新しい使い方をされることが十分ありえることはお断りしておきます。
<「深いポジティブ寄りのフィードバック」がMessageLeafの真骨頂>
MessageLeafは基本的に固有のウェブサイト(コンテンツ)を通じての作者と読者の1対1のコミュニケーションを前提としています。作り手は、あるコンテンツが出来上がったら、通常何らかの形でFacebookやTwitterなどのソーシャルメディア上でコンテンツが出来上がったことを告知しますので、同じプラットフォームからもフィードバックが入りますし、コンテンツを載せたページ経由でコメント欄やMessageLeafからもフィードバックが入り得ます。「はてな」だったら、「はてブ」もあり得ますね。
ではどんな情報がフィードバックされるのか、を「深度」と「ポジティブ度」の2つの軸で整理してみると、↓のような感じになります。
Facebookは「いいね!」に代表されるように、基本的に比較的手軽なポジティブ・フィードバック中心のフィードバックがされるプラットフォームです。後述しますが、比較的強い絆の友人・知人中心で構成され、なおかつ周りの目があるので、まあそうなるでしょう。
Twitterは、ポジティブ・ネガティブ両方のフィードバックがあり得ますが、140字という制限もありますので、「深度」としては浅いのが特徴です。
さらに、ブログのコメント欄やはてブは、やはりポジティブ・ネガティブ両方のフィードバックがありますが、「深度」も様々。これは、Twitterと同様に匿名性が利く一方で文字数制限が特にないためと思われます。
ではMessageLeafはと言うと、ポジティブかネガティブかで言えば間違いなくポジティブ寄りになります。これは、読者側がFacebookアカウント名と写真を作者側にオープンにしているためと思われます。また、単にポジティブなものだけでなく、建設的批判であったりここはこうした方が良いのではないかという提案だったりという、中間的な色合いのメッセージも結構入ります。もう一つの特徴は、極めて「深い」メッセージが多いこと。特に、倉貫さんの書いている「Social Change!」(http://kuranuki.sonicgarden.jp/)に入るリーフは、力の入った長文がかなりの比率であり、「嬉しいし、絶対にきちんと返事したい」という思いになるそうです。
ということで、MessageLeafの第一の特徴は「深い、ポジティブ寄りのフィードバック」が入ることでした。次回以後、「誰から」「誰に向かって」という観点での特徴を考察します。
お墓の要らない生き方
読者でお寺関係の方がいたらゴメンナサイと最初に謝っておきます。
先日の祖母のお墓詣りの後、「僕はお墓は要りません。もしそういう日が来たら、散骨してもらえば結構。妻にもそう言っている。」と言ったら母が嘆くこと。「そんなこと言ったら、娘が可哀そうじゃない。お墓が無いなんて、そんな情けないこと言わないでよ」と。
罰当たりなという人もいるかもしれません。ご先祖様に申し訳ないと思う方もいるかもしれません。でも、「お墓」だって、4-5代くらい前まではあっても、その前になるともう見つからないものがほとんどだと思います。お墓を建てる習慣ができたのは、「お墓の歴史」(http://www.butuji.co.jp/mame/rekishi/index.htm)にもあるように、実は江戸時代になってから。意外に最近なんですね。そんなこと考えたら、お墓に入ることに絶対に拘らなければならない理由はありません。むしろ、急速に「ノマド化」していく生活様式を考えてみると、「散骨」という新たな習慣を(世界的に)つくった方が、「どこでも人生を全うできる」という意味でむしろ合理的と思います。
まあ、それまでのお墓の管理はままならなくなるかもしれませんが、子孫としてご先祖様に対してできる一番の供養は、自分が活躍して次の世代により良い世の中を引き継いでいくこと。さらに出来得るならば、次の子孫をしっかり生み育てていくこと。これしかないと思いますし、それだけでいいんじゃないでしょうか。
また、子孫に残すべきものは、お墓でもオカネでもなく、親だからこそ伝えられる言葉と見せられる背中でしょう。カタチにして残してほしいという事であれば、形見の品を御守代わりに持っていてもらえば良い。
必ず誰にでも来る「その時」まで、自分らしく生きる。そして最後は天に還る。そんなことをふと思ったお盆の夜更けでした。
蕎麦で祖母を偲ぶ
お盆ですね。
この写真は、昨晩お邪魔した目白のお蕎麦屋さん「吉祥庵」でのもの。母方の祖母に最後にご馳走して差し上げられた、思い出の蕎麦屋さんです。改めて食べに来て、その確かな蕎麦の味と、江戸の地酒「丸真正宗」に舌鼓を打ちました。
お盆を迎えるこの時期になると、身罷ったのがちょうどこの時ということもあり、今はなき祖母のことを強く思い出します。目白は祖母が長年住み暮らした街なのです。
祖母は気配りと慈愛の塊のような気品溢れる女性でした。特に子供や孫たちに向けられた愛情は並々ならぬものがあり、僕自身も中学と大学の受験の際に年明けから目白の家に泊まり込んで、祖母の心尽くしの手料理で日々元気をつけさせてもらって試験を乗り越えていったという経験があり、感謝してもしきれません。
高血圧の持病はあったものの長年元気に住み暮らしていたのですが、3年半前に末期の大腸がんが見つかり、症状緩和目的の手術後に外来治療を続けている中で急速に病状が悪化してしまいました。その際に在宅医療の名医を紹介して、可能な限り苦痛を取り除いて最期の日々を大好きだった目白の自宅で過ごしてもらえるようアレンジできたのが、わずかながらの恩返し。
祖母が身罷ったその年の秋に、独立・起業(メディカル・インサイト)して3年が経とうとしています。祖母の祖父は明治~大正時代の名のある起業家で、祖母は心の奥底でその「誇り」を秘めていました。
今年のお盆は、最後に抱っこしてもらった娘がすくすく成長していること、独立後の事業がしっかり拡大してきていること、そして3年経ってMessageLeafの創業というワクワクする新たなチャレンジが始まったことを、墓前に報告してきます。天国で目を丸くしつつ、喜んでくれることを期待して。
男子水泳400mメドレーリレーに見る「小さな団体戦」の戦い方
先週は束の間の夏休みを頂いていました。今や佳境となってきたロンドン五輪の中継を楽しまれている方もたくさんいらっしゃることと思います。私もスポーツ観戦大好きなので、睡眠不足にならない程度に楽しんでいます。
<プロとしての個の力をうまく結集した男子水泳400mメドレーリレー>
感動した競技はたくさんあるのですが、その中でも前半戦の個人的なハイライトは男子水泳の400mメドレーリレーでの銀メダルでした。
もちろん、北島選手が最後の最後に会心の泳ぎでメダルを持ち帰ったというドラマ性もあったのですが、何よりも、水泳のように「チーム力」が発揮しづらそうな競技でもそういった力が発揮されるのだなということに感動しました。(陸上のリレーなら、バトン技術という要素が入ってくるけれど、水泳だと、技術的にはそういうものもありませんからね)。
↓は今回のメドレーリレーでメダルを取った米国、日本、豪州の出場選手の個人の持ちタイム(原則、今回の五輪の決勝タイムを適用。出場していない選手についてはベスト記録を適用)と今回のリレーの記録を並べてみたものです。個人成績の持ちタイムからの縮め方が日本が一番大きいことがわかると思います。
ベスト記録との比較という意味ではちょっとキツいことを考えると松田・藤井両選手はよく頑張っているし、入江も背泳ぎでは唯一個人記録を上回っているし、何よりも北島のタイムの縮め方がすごい。まさにチーム全員で勝ち取った銀メダルと言えます。
水泳に関して言えば、ずいぶんと前から五輪の選考は日本選手権での「一発勝負」になっていることも、良い影響が出ていると感じます。一点に自分の調子を合わせて仕上げていくプロとしての力が試されている選考、といって良いでしょう。選考過程がなんだかもやもやとしている柔道やマラソンで地盤沈下が起きてきているのとは対照的です。
そして、プロとしての個の矜持に加え、チームの団結力で持っている以上の力を出し切った素晴らしいレースでした。
この他にも、フェンシング、卓球女子、アーチェリーなど、団体戦で個々の実力以上の力を出してメダルを獲得する競技が今回は目立っています。
<ビジネスも「小さなチームでの団体戦」が主戦場に>
さて翻って、ビジネスの上で何が起きているか。
今までの「カイシャ」組織では、大きな団体戦が主戦場でした。
大きな団体戦では個人はある程度守られています。例えば、ソフトウェアのエンジニアであれば開発してできた製品へのクレームがあったとしても、現場の営業マンやお客様相談窓口といったところを経由してからでないと触れないでしょう。下手するとクレームが伝わらないなんてことも十分にあり得る。これでは人数かけても、全体のパフォーマンスはむしろ下がります。
でも変革のスピードを要求される世界になってくると、そんな「カイシャごっこ」をやっている余裕はなくなります。そうすると自然に、互いの顔が見える程度の小さなチームでの団体戦という新しい“種目”が主戦場になってきます。
そこで必要なのは、自立した個のプロとしての矜持と、互いの動きを感じながら能動的にカバーし合うチーム力の両方です。先ほどの例で言えば、顧客クレームをエンジニアが自分で対処するというような場面もあるでしょうし、営業マンがプロトタイプ程度であれば自らささっとプログラミングしてしまう、といったことも必要になるでしょう。お互いがお互いに(なじるのではなく)建設的なアドバイスをすることも大きな効果があります。そうした目に見えにくい「つなぎ」や「配慮」が、全体のパフォーマンスを上げていくのです。
MessageLeafで一緒に仕事をしている仲間たちは、実は皆こうしたマインドと技術を持ち合わせています。下手すると、自分が一番ダメダメなベテラン選手に成り下がりかねないですね(笑)。ここぞという時に北島選手並のパフォーマンスが発揮できるよう、自分で自分の尻をしっかり叩いていかなければ、です。
「嬉しい悲鳴」の1週間
先週は、MessageLeafにとって記念すべき週となりました。
一つは、日経ビジネスに紹介記事が掲載されたこと、そして、もう一つはチームメートの倉貫さんが、初めて自身のブログでMessageLeafの紹介をしたこと、です。
特に後者の反響は大きかったようで、掲載後2-3日は頂いたリーフや設置リクエストの対応でチーム全員が大わらわ。まさに、「嬉しい悲鳴」を上げていた1週間でした。結果として、Facebookページの「いいね!」の数が130を超え、登録ユーザーの数も160を超えてきました。
ユーザーの数が増えるのはもちろん嬉しいのですが、さらにありがたかったのが、頂いたリーフの暖かいメッセージ一つ一つに励まされたことです!
特に嬉しかったのが、MessageLeafを実際に設置していただいたユーザーの方から頂いた、「"リーフをもらうと想像していたよりも嬉しい!ということです。"というのを実感しております。」というリーフ。自分たちが感じた良さを同じように感じて頂けるユーザーがちゃんといらっしゃるのを知るだけで、大いに勇気づけられます。
自らが本当に欲しいと思うものを創る、というのは起業の鉄則の一つだと思います。今回、多くの皆さまからリーフを頂いて対応を進める中で気づいた新たな内なるニーズを、今後しっかり形にしていきますので、どうかご期待ください。
MessageLeafの「ミッション」と「ビジョン」
先週から、MessageLeafの「ミッション」・「ビジョン」が何か、ということについてチームで真剣に議論してきました。
ミッションと言えば、有名なのはGoogleですね。
Google's mission is to organize the world's information and make it universally accessible and useful. (Google の使命は、世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすることです。)
この「ミッション」とか「ビジョン」については、カッチリした定義がなかなか無いのですが、今回改めてMessageLeafのミッションやビジョンを考えてみての、僕の個人的な解釈は↓です。
ミッション:その事業が「究極的に何のために存在しているのか」を示すもの
ビジョン:ミッションを果たした結果、どういう状態(世界)を創り上げていきたいと思っているのか、という「世界観」
議論の結果たどり着いたMessageLeafのミッション・ビジョンは↓の通りです。
ミッション
「ウェブコンテンツの作者と読者をつなぐ」
ビジョン
MessageLeafは、ウェブ上の作品(コンテンツ)を通じた作者と読者の良質の出会いを創ります。新しい双方向コミュニケーションが重ねられ、それが次の素晴らしいコンテンツを生み出す。そんな「正のサイクル」が無数に生まれる世界がMessageLeafの目指す姿です。
「普通、ミッションやビジョンって最初から考えているもんちゃうの?」という突っ込みをしたくなる方も多いでしょう。でも、自分は要は何をしようとしているのか?どんな世界を目指しているのか?ということは、やってみて少し振り返ってみてからでないと本当のところはわからなかったりするものです。人生だってそうじゃないですか?
ともあれ、MessageLeafのミッション・ビジョンはこの段階で固まりました。この先、難しい意思決定が必要になった際、必ずこの原点に立ち戻って取るべき進路を考えていきたいと思います。